ご夫婦で暮らす家に滞在し、農作業のお手伝いや近隣の住民と交流。近くの小学校も訪問しました。
村の生活とは一変して、都会のホテルに滞在。位の高いお坊さん、バリバリ働いている女社長、女優さんに会ってさまざまな話を聞きました。
5代目の国王と王妃が来日されて「幸せの国」が話題になっていたことと、ブータンについて10年近く研究を続けておられる真崎先生の影響で、ブータンに興味を持ちました。
ただ、私の場合は少し否定的で「みんなが幸せだと言うけれど、そんな訳ないやん」という気持ちから、自分の目で確かめに行くことにしました。
出会う人ごとに、「幸せの国って聞いたのですが、あなたは幸せですか?」と聞いて周りました。
すると、全員が幸せだと即答してくれました。そのコメントを紹介します。
「誰かに何かをしてあげることが幸せ」
「幸せであることに気づけることが幸せ。しんどくても、その生活ができることが幸せ」
「人と話して笑えることが幸せ」
村でホームステイしたお家はご夫婦二人暮らしで、裕福ではありませんが、常に近所の人たちがご飯を食べにやってきました。それも、昼ご飯のときにいなかった人が夜ご飯には座っている、ということが頻繁にあって「あれ、この人誰だろう?」と(笑)。
それでも、お母さんは普通に食事を振る舞い、来てくれた人にはご飯をこんもりと盛って、相手の方は「いやいや、それで十分」「いいから、いいから」と、そういう光景は日本と共通しているなと可笑しくなりました。
私たちはたった3日間の滞在なのに、最後の日にお別れパーティーを開いてくださり、近所の人たちも集まって歌って踊って、とても楽しい時間を過ごしました。そして、お別れのときにはお父さんとお母さん、私たちも泣いて。とても不思議なのですが、言葉も通じないのに本当の家族のように思ってくれる気持ちがこちらにも伝わり、私たちも素直に甘えることができたのかなと思います。
人と人のつながりが、こんなに楽しく温かいものなのだと感動しました。
「日本とは何が違うのだろう?」と帰ってきてからもずっと考えていましたが、見返りを期待しない心なのだと思います。
都会に戻って女優さんに会ったときに、1時間ほどインタビューさせてもらって別れたのですが、翌日その女優さんがわざわざ私たちの留守中にホテルを3回も訪ねてくれたんです。彼女は、「あなたたち、本当にいい子だわ。ブータンのこと忘れないで、また来てね」と一人ずつにお土産を渡してくださいました。
誰かに何かをしてあげることに喜びを感じる。そういった考えは、お会いした皆さんから感じとることができました。
仏教が深く根付いているブータンでは、「足るを知る」という言葉がベースにあります。もっと裕福な暮らしを望むよりも、今の環境に満足するという考え方です。その一方で、国の発展を望む人たちは、それを怠惰な考えと捉える人たちもいます。私たちがお会いした位の高いお坊さんは、そういったギャップを心配していて、国が近代化することで自然保護の問題や独自の文化が薄れていくことに危機感を感じておられました。
みんなが幸せと感じているブータンでさえ、幸せの価値観は少しずつ違っているようです。それでも、小学校で出会った子どもたちが、自分の国をとても好きで、目がキラキラしていたことに希望を感じました。
今回、私は自分の目で確かめたいとブータンへ出かけましたが、同じように自ら行動したいと思う学生がいて、一緒に頑張れるところがCUBEのすごいところです。
一生懸命に取り組んでいる人が格好いいと思う空気があるのだと思います。
こんなことが知りたい、行動してみたいと思ったときに、それを全力でサポートしてくださる先生がいて、その環境も整っているので、私たち学生は安心して行動できたのだと思います。CUBEには、自分が望めばたくさんのチャンスが転がっているので、それをしっかり掴んで成長につなげてください。