最初の4日間:
現地の企業を訪問、日本人社員に話を聞く。
UCLAの大学生の生活を見学。
16日間:
現地のアパレル企業、D&G Worldwide Corporationでインターンシップ。
中学生の頃から、将来は海外で起業したいという夢がありました。今までに留学は何回か経験しているのですが、実際に海外で働くことを経験して、自分の憧れと現実がどう違うのか知りたいと思って。
ロサンゼルスの家庭にホームステイして、会社まで自分1人でバスに乗って通うという生活を体験してきました。最初の4日間は、現地で働く日本人の方にお話を聞いたり、UCLAの学生の生活を見学させてもらって、その後の16日間でインターシップを経験するというプログラムなんです。
JALや三洋電機などの日系企業や、ユニオンバンクなど現地の大手企業を訪問させていただきました。ほとんどの方が現地の社員を束ねるポジションの人です。
いろんな話を聞かせてもらったなかで、皆さん口を揃えて言っておられたのは、自分がアメリカ人になるのではなくて、日本人としていかに自分らしさを展開していくかが大事ということ。
最初は、アメリカの企業に自分を合わせるようにと苦労したけれど、そうではなくて、日本人としての自分を採用されたのだからと。私自身、それを聞いてすごく衝撃的でした。
そうですね。現地の社員と比べると、日本人は期限をしっかり守るとか、細かな配慮ができるとか、日本のお客さんとの折衝が任せられるといった、日本人ならではの持ち味を期待されているようでした。
でも、それを生かしていくのは、日本で働くよりもしんどいと。楽しいけれど、責任も重いし、精神的にハードだと言っておられました。広告代理店で10年くらい努めている女性の話では、スタッフに期限を1週間前倒しで伝えておくとか、細かな部分まで指示を出すとか、そういったことも必要になるそうです。海外で働くことの大変さを感じました。
そうだと思います。その方も、アメリカでの留学生活は長かったのですが、働いてみて分かったことがいろいろあったそうです。
彼女はキリッとした雰囲気の方で、「何か言われても、私は日本人ですからと割り切っているんです」というお話に、すごいなぁと思いました。私にはない強さを感じて、こういう人になりたいなぁと思いました。
逆にいいところは、アメリカの方が仕事と遊びのけじめがきっちりしている。それがあるから、こちらの方が自分に合っているとおっしゃっていました。私も、そういう考え方が好きなので、意気投合しました。
日本人が経営されているアパレルの会社で、洋服の他に、バッグやアクセサリー、化粧品などの商品企画と販売、日本への輸出も展開しています。私は店頭での接客や検品をさせてもらって、商品の買い付けにも同行しました。
お店は、ハモサビーチといって、サーファーが集まるビーチ沿いにあるので、個性的なお客さんが多い場所でした。周囲にはレストランやブティックも並んでいて、若い人だけでなく、おしゃれな大人の女性やカップルも多いんです。
そこで、いきなり初日から接客を任されて、「え、私でいいの?」と思いながらも頑張りましたけど(笑)。
もう、すごく緊張しましたー(笑)。「こっちの方がもっと似合う」とか「個性的でいいですよ」とか頭の中に浮かんでくる言葉をどう英語で表現したらいいんだろう?と混乱しつつも、なんとかやりました。
でも、最初に入って来られたお客さまがとても素敵な方だったんです。40~50代くらいの女性2人で、とてもエレガントな雰囲気なのでこのお店で何を選ぶんだろうと思っていたら、ブレスレットを足につけてみたり、ピアスを髪の毛につけたらかわいいんじゃない?と個性的な方で、対応していてすごく楽しかったんです。
他 のお客さまとも会話をすることが多くて、私が着ている服について「それどこのお店で買ったの?」と聞いてこられたりして。
アメリカの人は試着の回数が多いですね。ぜんぜん恥ずかしがらずに、そのまま店の中でモデルみたいにウォーキングしたりとか(笑)。あとは、私に「あなたが着て歩いてくれない?」と頼まれたりもしました。「私がですか?」とびっくりしていると、「ちょっと歩いて見せてほしいの」って(笑)。
はい、買っていただきました。私も頑張って「着てみるとここがいいです」とアピールしましたから(笑)。スタイルのいいお客さまが多いんですが、日本よりも人からどう見えるかを気にする方が多くて意外な感じでした。
そういう方には「派手に見えるけれど、シンプルなトップスと合わせるとこんな着方ができますよ」というふうに新しい着方を提案してあげたり。
そうですね。たとえば、ショーウィンドウのディスプレイについて、日本人のお店として人気なのだから日本で流行っているテイストを取り入れては?と提案しました。マネキンにハイウェストで着せてみたり、いくつか採用してもらえました。
まず、もっと英語を勉強しようと思いました。それから、アメリカの文化とか歴史も勉強していくと、人との関わり方にも生かせるのだろうと思います。
働いていると、平日と休日の区別があって一人で行動しないといけない場面も多くなるし、責任もあるので当然ながら学生とは違いますよね。でも、私はそういうところが楽しかったです。
それから、日本と違うなと思ったのは、自分からもっと積極的に動かないといけないということ。
日本なら、これをやりなさいとか、こうしたらいいよと言われる場面が多いけれど、アメリカでは、やりたいことは自分で探しなさいという文化なんです。
会社のスタッフの方たちも、「どんなことがやりたい?」と聞いてくださるので、自分から「これがやってみたい」とどんどん言っていかないといけない。たとえば、有名ブランドの検品やってもいいですか?とか、日本からのお客さまの接客もしたいと言うと、「じゃ、やってごらん」とチャンスが広がっていくんですね。
社長も、日本人は考え過ぎてなかなか行動に移せないけど、まず一回やってみて、その結果から発展させていけばいいのに、と言っておられました。社長はすごくエネルギッシュな方で、思い立ったらとりあえずやってみようというタイプなんです。
そうなんです。私が将来の夢を話すと、起業する前にいろんな会社で働いて経験を積むことが大切だと。海外では、みんながストレートに表現するので、それに耐えられるように自分を強くしていくことが大切なんだそうです。 私自身、やはり「これをやっていいですか?」と気にしてしまうので、そうではなくて「これがやりたいんですけど」と自分で意思決定していかないといけないと言われました。
でも、そういった考え方って、CUBEに通じるものがあるんですよね。自分が何をやりたいか、自分で決めて行動しないといけないところ。
他の大学みたいにキャンパスライフを楽しむという学校ではないので、自分がやりたいことや勉強したいという気持ちが必要なんです。その気持ちがあれば、いろんな分野でのエキスパートである先生が集まっているのですごく頼りになるし、すごく成長できると思います。
そうですね。特別留学コースとどちらにするかすごく迷ったんですが、マネジメントコースを選びました。1年間留学するよりは、その分いろんな国に行って働いたり、いろんな経験を積みたいなと思ったので。
他の大学の人たちとロサンゼルスで仲良くなったのでいろんな話をしたんですが、「なんでそんなに勉強するの?」と言われたけれど「自分が好きなことをやっているから、楽しいのよ」と。今は、もっといろんなことを経験してみたいと思っています。