はい。本当は高校卒業後、すぐにアメリカの大学に行こうかと思っていたんです。日本では行きたい大学や学部がなかったので。でも、親の反対もあったりして迷っているときに、CUBEのことを見つけて「ここしかない」と決めたんです。CUBEは、学部の領域を超えて広いテーマを扱っているし、国際的な視点で学べそうだと思いました。
ただ、留学は必ずしようと決めていました。
できるだけ親に負担をかけずに行こうと思っていたので。特別留学コースは英語の授業が多いので力をつけやすいですが、マネジメントコースでも頑張れば大丈夫だろうと思って(笑)。
実際に入学してみると、マネジメントコースでも留学希望の学生は多くいました。英語ができる人も多いし、僕も負けずに本気で勉強しましたね。
本気でやり始めたのは、1年生の秋頃から。2年生になる前の春休みは、朝9時から夕方まで、同じTOEFLを勉強する5、6人の友達と猛勉強しました。
午前中は、50分間集中して10分休みを繰り返すというように時間を決めて。午後は、お互いにスピーキングの練習をしたり、1人で部屋にこもったリといった感じで。
このスタディーグループは佐伯先生の提案なのですが、ライティングはロジャー先生やポール先生に毎日のように採点してもらいましたし、スピーキングもブレント先生やポール先生にお世話になりました。ポール先生は特別留学コースの先生なので僕の授業は担当していないのに、夜にTOEFLの授業をしてくれたんです。
留学の合格ラインはTOEFLで61点以上。でも68点以上なら奨学金に申し込めるんです。でも、69点以下だと1ヵ月早く現地に行って、ISIBMというBusiness Englishのコースを受けなくちゃいけない。「そんなのたまるかー!」と思って(笑)、70点を目標にして頑張りました。 そういう目標を持っていたせいか、思い通りのかたちで留学できることになりました。
実は、自分のなかで、奨学金を取れなかったら行かないって決めていたので、親にも内緒でした。たとえ取れなくても行けと言ってくれるでしょうが、それは自分で許せないので。 ただ、突然に言われた親は、ものすごくびっくりしていましたが(笑)。
かなり勉強していったので、丁寧に話してもらったら聞き取れるレベルにはなっていました。でも、ジョークが分からないのは困りましたね。「いま何って言ったの?」なんてタイミング悪くて聞けないじゃないですか(笑)。
授業は、先生によってさまざま。6人の先生のうち1人はフィリピン人、1人は韓国人。留学生もたくさんいるので、ほとんどの先生が丁寧に話してくれました。
ただ、ジョークの多い先生(International environment of Business)の授業は、3時間ぶっ通しの上に、教科書もスライドもないので、難しかったです。教科書があれば、予習することである程度は把握できるんですけどね。
そういう時は、先生の許可をもらって授業の録音をしたり、授業の後で日本人の友達とスタディーグループを作って内容を確認し合ったりして。
Organizational BehaviourとFinancial and Management Accounting For Specialistsかな。
Financial and Management Accounting For Specialistsは、教科書をしっかり読んで理論を学んで、あとは練習問題を解きまくるというスタイル。CUBEの授業スタイルとは違うのでかえって新鮮でした。僕は理論だけ学んでも意味ないとずっと思っていましたが、理論を学ぶことも大切なんだなと思って。いろいろな経験をして、それを分析するための理論もこれからもっと身につけていくべきだと思いました。
Organization Behaviourは、教科書の内容を憶えて、個人やグループでその理論を使って分析していくのがおもしろかった。どちらかというとCUBEのスタイルに近いかな。
どちらも、現地の学生と一緒に受ける授業です。彼らの姿勢にも学ぶことが多かったです。
みんな強いなと思いました。基本的には、学内でも一人で行動しているんです。勉強が終わって外に出て、友だちに会えば話が始まる。遊ぶときは遊ぶけど、ちゃんとメリハリをつけているんですよ。
型にはめられていないというか、自分のやりたいことを実行しているという感じがすごく良かった他人がやっているからではなくて、自分がやりたいからやる。自分をもっと信じられるようになりたいなと思いました。
そうですね。留学生にしても、もともと経営や経済を学んでいる人たちが集まってくるので、優秀な学生が多かったです。
日本からも立命館大学や明治大学の学生が来ていて、とても刺激になりました。彼らはCUBEよりずっと学生数が多いので、留学するのも競争が激しいんですよ。TOEFLでの合格点数を取れても、行きたい学校の募集枠に入るためには、また面接とか抽選があったりする。
僕たちはとても恵まれているんだと思いました。あと、同じ日本人として負けたくない、という気持ちも湧いてきたりして(笑)。
何ていうか、人っていろいろなんだなと思えるようになりました。
たとえば、カナダでレストランに入るじゃないですか。注文を聞きに来てくれるまでにすごく時間がかかるんです。最初はすごくイライラしていたけど、最後の方は何となく受け入れられるようになってきて。
カナダの人は長蛇の列でも平気で並ぶし、店員が遅くても文句言わずにチップも払ったりする。とてもゆったりしているんです。自分は焦りすぎていたのかなと思ったりもしました。
いやぁ、それは分からないですけど(笑)。たとえば、僕はCUBEの一期生なので、みんなでこの大学を良くしよう!って張り切っていたんです。でも、ちょっと肩に力が入り過ぎていたというか、全員を強制することなんて無理だし、人それぞれの感じ方は違って当然なのかなと思えるようになった。
人を見るときに、個人として尊重することの大切さを学んだ気がします。僕自身も、個人としての考えをしっかりと固めていきたいなと思っています。