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初代学部長メッセージ

CUBE六期生へ

初代学部長 佐藤 治正

CUBEは2009年4月に開学した甲南大学の最も新しい学部で、時代の変化に対応した新しい教育の場、人物育成の場として創られました。

学部の英語名は”Hirao School of Management“。甲南大学の8学部の中で、唯一創立者平生先生の名前を冠した学部となっています。それは、創立者の精神を受け継ぎ、今日的解釈を加え、未来の教育を目指すという学部創立時の意志を表すものです。

「CUBEの学部名がわかりにくい」「何を教えているかわからない」という声もあります。それは、CUBEが学問分野をベースに創られた学部ではなく、学びの場として創られた学校だからです。そこで展開される学びは、リベラル・アーツ・カレッジや旧制高校のそれをモデルにしており、専門分野の詰め込み教育ではなく、広く学ぶことがその特徴の一つで、少人数で基礎的な教養を身につけ、ものの考え方を滋養することに重点が置かれた人物教育を目標としたものなのです。

CUBE1階玄関に、2つのプレートが掲示されています。その一つは、平生先生の言葉「正志く、強く、朗らかに」で、これは、日本語とポルトガル語で書かれています。武士として育った平生先生は、甲南の学生に対して、日頃、「卑怯生なまねをするな」「見苦しい行いをするな」と話していたそうです。また「正志く」に志が使われており、そこに平尾先生の意志を感じることができます。正しく行動することだけではなく、行動する目的に志がなければならないということです。人が何かを成し遂げるには情熱が必要であり、情熱を掻き立てる若者らしい夢が、成し遂げたい何かがなければならないのです。それは、金持ちになりたい、偉くなりたいとう自分の利害を越えたものでなければならず、成し遂げたい何かが美しくあるには、志が不可欠だということを示唆しているのではないでしょうか。ことを成すには継続的な努力が必要で、自分を律する強さが不可欠です。さらに、努力の過程で、苦しいこと難しいことに数多く直面します。ことに当たって、人はポジティブでなければならないし、朗らか・ポジティブでないと周りに人も寄ってきません。

もう一つのプレートは、「自ら学び、共に学ぶ」「自ら考え行動する」で、これは私がCUBE設立時に創った”CUBE Style“なるものです。すなわち、学びの本質は孤独な作業であり、自分の夢に近づく個人的な営みであり、また、チームが強くなるために、個の力を上げると同時に、チームで切磋琢磨し、チーム力を全体的に向上させることが大事ということです。そして、理論だけではだめで、人は行動から、あるいは失敗からも学んでいくことができる。そのためには考え、戦略を立て、行動し、経験を積み重ねていくことが大事だということです。人は、自分の経験から学ぶのです。

CUBE Styleは、CUBE教職員に対しても同じ。教師も、自分の専門に固執せず、学生と共に、他の教員と共に、学び続けることが求められます。よき教師は、教えることの達人である前に学ぶことの達人、学びの先輩でなければならないのです。

CUBE六期生として、この4年間、自分の夢に向かって、情熱を持って行動し、志を見つける物語が今始まります。美しい物語を創ってください。素敵な若者に育ってください。そして自分の人生を通じて、世界に貢献してください。

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