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CUBE創設を支えた人たち

「日本の未来のために教育を変えたい」。佐藤さんの強い想いが、魔法を生んだ。大学職員:石野 牧生 。CUBE在任期間:2007年6月~2013年5月末

Vol.2 CUBE開設後

学生との関係:先生って、こんなに楽しい経験をしているのか。

Q.
天野さんたちは学生に近いお兄さん、石野さんはお父さん役だったとか。
石野

学生からしたら、ちょっとこわい存在だったかもしれませんね。僕は自分の子どもを見るような目線で学生たちと接していたので。みんなしっかりしているけれど、ちょっと目を離すとケガするんじゃないかとか、親の目線になっていました。

CUBEのいいところは、先生も職員もみんなが学生一人ひとりのことを知っていることです。
「最初は頼りなかったのに、あの子がこんなこと言うようになってきましたよ」とかいろいろな声が聞こえてくる。本当に家族が子どもの成長を見守っているような感じです。

佐藤
お互いの信頼関係ができて、学生たちが学校を好きになっていったのです。ここでは、事務室の職員がオールマイティに対応しないといけない。教務部や学生部、キャリアセンターなどいろいろ。職員にとっては、大変な場所でもあるけれど、多くの経験ができる最高の場所でもあります。
Q.
石野さんにとって、一番の思い出は何ですか?
石野
一回だけ、学生と一緒にイベントの仕事をしたことがありました。ブルーマンというパフォーマーを迎えるため、記者会見を設定したりイベントのセッティングをしたんです。通常、僕は学生とそこまで深く関わってなかったのですが、地元の西宮市役所との関わりなどもあったので最後まで絡むことになって。 残念ながら、記者会見が終わった直後に東日本大震災がおこってイベントは中止になったのですが、学生と一緒に活動できたことは一番いい思い出ですね。ポスター作ったり、一緒に役所を回ったり。短期間だったけど、彼らは失敗しながらも次の日にはちゃんと改善されたものを持ってくる。どんどん成長していく様子を見ながら、「先生って、毎日こんな楽しい思いをしていたのか」と(笑)。

CUBEの文化:ここは、頑張っている学生が報われる学校。

石野
CUBE独自の文化をつくることができたのは良かったと思います。学生が必ず挨拶するのも、そのひとつ。他大学からの見学者がそれをみて「挨拶できるっていいですね」と言ってくださるけど、それを自分の大学に採り入れるのは難しいことで。
佐藤
ここは頑張っている子が評価される学校なんです。それを見て、他の学生が「自分も頑張りたい」と素直に思って、プラスの連鎖が起こる。新入生が言ってましたよ。「ここはいいですね、真面目な子がバカにされないんですね」と。 勉強している子が報われる学校です。普通の大学だと、授業休んでもノートだけ借りて試験でいい点採ったら評価されるけれど、CUBEはそうではない。ちゃんと努力している子は必ず誰かに見てもらえて声をかけてもらえる。サッカーでもそうですが、よき観客・サポーターがいると選手のパフォーマンスも上がる。見られているという感覚と信頼は大きな影響力をもっています。
石野
学生はみんな素直ですよ。悪いことして怒られるような子でも、基本的に素直ないい子です。インターンシップの受け入れ先からもそんな評価をいただいています。
Q.
そういった素直さは、どうやって養われたのでしょう?
佐藤
信頼がベースにあるから素直になれるのです。フィンランドの教育がうまくいっているのは、信頼関係が築かれているから。信頼は教育の原点です。 僕たちは、不当なことでは学生を怒らない。根本にある愛情が伝わっているんだと思います。
Q.
文化を創るための仕組みというものがありましたか?
石野
実際に文化を創ってくださったのは先生方です。ただ、そのための仕組みが作用したということはあります。たとえば、個人のロッカーがあるから学校で勉強しやすい雰囲気ができたとか、ガラス張りの教室だから頑張っている子が見えるとか、気を使って邪魔しないようにしようとか。
佐藤
僕らが頑張った以上に、目指したところが正しい方向に向かったのだと思いますね。

CUBEの評価:学生たちが実績を出してくれた。

Q.
CUBEの評価について、もう少し聞かせてください。
石野
社会的に評価が高くなってきたのは、一期生が卒業した頃からです。「サンデー毎日」で、商・経営系学部での実就職率が関西1位と紹介されたり、大学教育評論家の山内太地さんがファンになってくださったり。学内でも、CUBEのノウハウを活かしていこうという雰囲気になってきました。
佐藤
学生たちが実績を出してくれたんですよ。就職先企業からの評価も高いなど、それなりの結果を出すことができた。人は教育で変わるんだとか、学生と教員・職員の関係は大切なんだということが証明されたのです。
石野
魔法学校は本当だったのだということです。そういう意味ではね、僕も含めて、職員もみんなCUBEの魔法にかかったんですよ。今まではできないだろうと思っていたことも、やってみたら道が拓けたりと、自分の力を信じるようになった。
佐藤
石野さんは、最後は僕の使い方まで上手くなったからね(笑)。文部科学省への申請書類なんて、僕よりも仕事してますよ。
Q.
CUBEの魔法の源は、一体何なのでしょう?
佐藤
CUBEは魔法学校と呼ばれ、学生だけではなく、CUBE立ち上げに係わった職員の多くも、魔法にかかったといいます。魔法は、「未来は変えられる」と信じるところから始まります。強く信じることにより、変えるべき未来が見え、変えるために行動する勇気が湧き起こります。自分を信じる力、そして夢を共有できる仲間との絆が、魔法の力を強め、夢を実現し未来を変えるのです。
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