数字を読む面白さを知って欲しい。
会計学や財務会計というと、簿記をイメージする人が多いと思います。もちろん、それも重要なことですが、ただ数値を計算するだけでは面白くありません。なぜそうなったのか理由を探ったり、財務諸表の情報以外にどのような情報を提供しているのかなど、様々な視点から考えていくことが大切です。
財務諸表というのは、利益率や利益額、資産構成といった数字の出方が企業によって、あるいは業種によって異なりますし、また、国によっても違いが現れます。たとえば日本企業は現金を多く持っていて、あまり借金を好まない傾向があり、一方で、アメリカの企業は借金を積極的に活用するなど。もちろん、一概には言えませんが、このような違いや特徴を見つけるだけでも面白いものです。こうした視点は簿記の勉強だけでは得にくく、私の授業ではその楽しさを伝えていきたいと思っています。それに、学生の皆さんにとっては、就職先を考える際にひとつの判断基準として活用することもできます。
今の時代は、資格を持っているだけで有利という状況ではありません。会計に関連する資格の場合は、資格を持った上で、さらに数字からその先を考える力まで身につけることが必要になってきます。簿記の資格を取るだけなら、他の場所でもできること。企業について調べて発表するなど、大学だからこそできる勉強、CUBEだからこそできる勉強を進めていきたいと思っています。
MESSAGE
財務会計で企業を分析する際、絶対的な正解というのはありません。どんな見方をするかで、答えはいくらでも変わります。きちんと場合分けをして、論理的に思考できる人になってください。