畑や田んぼ、山に囲まれた自然豊かな場所で生まれ育ち、小さいころから農業は身近なものではあったのですが、自分自身は農作業をしたことがありませんでした。授業の中で、「農業」を題材にしたフィールドワークがあるということで、地元のことや農業のことをより深く知る機会になればと思い参加しました。
私は、CUBEの特徴的な授業であるフィールドワークに参加したいと思い、テーマにこだわらず調べていたのですが、企業とのコラボレーションが多い中、「農業」がマネジメント創造学部とどのように結びつくのかイメージが沸かず、興味を持ちました。枝豆が大好きなので、黒枝豆が有名な三田市での活動という点にひかれた部分も大きいかもしれません。笑
「まちとまちを繋ぐ」をテーマに農業体験を行い、より具体的に「農家と都市部をつなぐ」、「生産者と消費者をつなぐ」と設定し、それぞれをよりつなげることを課題としました。実際現場に行ってみると、30代の農家の方も多く、自分がイメージしていたよりも年齢層が低く、活気にあふれていることに驚き、とても楽しく過ごすことができました。
私たちは三田チームに参加し、その中で、第一次産業では、生産者の情報を出すことはあっても、消費者の顔は見えないため、「どのような人が買って、その先でどのように商品が使われているのかわからない」という声を聞く機会がありました。また、農業に興味がある人とつながりたい生産者や、農家とつながりたい消費者の存在もあり、その声をきっかけに、「農家とつながれる野菜の栽培キットを販売する」という提案を行い授業は終了したのですが、一緒に授業をつくってくださった㈱喫茶部より、この提案の実現のお話をいただき、有志の活動として、トマトの栽培キットの販売やイベント実施に向けて動くことになりました。
いざプロの方々に現実のものとして提案しようとすると、中途半端なことは言えず、今までの授業内での提案がいかに机上のものだったか、スケジュールやお金の管理の面で、そのギャップの大きさを痛感しました。また、農家の方々とはメールでのやりとりが多かったため、社会人のメールマナーなども勉強する機会になりました。
農業の魅力をより多くの方に知っていただくために、フェイスブックを活用したコミュニティづくりや試食イベントも開催したのですが、そこでも多くの学びがありました。8月のトマトイベントでは、どんな内容にしたいか、コーナーのコンテンツは繰り返し練っていたのですが、実際にイベントが始まると、計画通りには進まず、アイスブレイクの時間をとっておく必要性や配席の工夫、タイムテーブルもより細かく決めておくべきだったなど、反省点が多くありました。回を重ねるごとに課題が見つかり、反省を生かして、一般向けの黒豆イベントに取り組むことができたように思います。
自分だけでなく、仲間とともに取り組むことで気づけることがたくさんありました。特に一緒に活動した秋田さんとは強みが異なるからこそ、役割分担がはっきりできていたように思います。私は人と話すことが好きで、アイデアや会話を広げていくタイプですが、細かい記録が苦手で・・・。秋田さんがきちんとまとめてくれているという安心感があるからこそ、行動的に交渉等を進めることができました。
私は逆に、人前で話すのは苦手意識がある一方で、本田さんといたからこそ、今まで当たり前にやっていたような、細かく計画を立てたり、記録をしたりすることが苦ではなく、意外と自分の強みなのかもしれないと気づくことができました。本田さんが先陣を切って交渉してくれるので、私は落ち着いて議事録をまとめたり、一歩引いて提案ができたり。良いチームワークで活動を進めることができたと思います。雑談も雰囲気づくりのために重要なんだということも、本田さんからの学びです。
この懸賞論文提出は、授業内での課題ではなく、授業から派生して自ら取り組んだものなのですが、自分たちの活動を振り返る機会になり、やりがいもあって、結果的に受賞もさせていただき、挑戦してみて本当に良かったと思います。
いろんな人とつながって一つのことを作り上げていく楽しさ、人のあたたかさ、つながりの大切さに気付くことができたし、「想いは伝わる」ということを実感することができました。
今後の就職活動に対しても、『営業』のイメージがあまり良くなかったのですが、今回の活動を通して、課題解決を見据えた提案型の営業もやりがいがありそうだなと感じています。
農業の活動やイベントをする中で、たくさんの社会人の方に出会いお話する機会があったのですが、自分が思い描いていた『社会人』のイメージが、いい意味で覆ったこともありました。仕事は楽しいことばかりでもないと思いますが、やりたいことのために大変なことがあるのなら、それも頑張ろうと、かっこいい社会人の方々を見てスイッチが入りました。
「失敗したらどうしよう」という声を聞くこともありますが、『学校』という強力なバックがあるんだから、使えるものは使わないともったいない!新しいこと、やってみたいことに挑戦するかどうか迷ったら、まずやってみてください!
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<ヤンマー学生懸賞論文HPでも受賞情報をご覧いただけます>
お二人が執筆された論文が掲載された論文集をメディアセンターに展示しています。ぜひあわせてご覧ください!
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