コラボレーションで価値を高める!CUBE ビジネス研究プロジェクト

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CUBE DIARY

コラボレーションで価値を高める!CUBE ビジネス研究プロジェクト

2023.03.30

2022年度後期、「BEAUTRIUM(美容室)×ネスレ×CUBE」のコラボレーション提案に取り組んだビジネス研究プロジェクト(青木クラス)。

第一段階ではBEAUTRIUMの価値を高めるコンセプトを考案し、そのうえで、ネスレの製品やサービスを活用して、さらに顧客体験を高めるアイデアの提案に取り組みました。ネスレ向けのプレゼンテーションは他大学も共同参加し、英語での発表や社員投票も行われ、CUBEからは3チームが表彰されました!受賞チームの代表者の声を通じて、取り組みの内容や成長をご紹介します。

AチームInnobaby Award」受賞 / テーマ:『キットカットカラー』

3年生 草地 真生さん(以下:A草地)

2年生 シュエイー ウィンさん(以下:Aウィン)

BチームInnobaby Award」受賞 / テーマ:『40代女性のをサポート〜外側・内側から健康的な美を〜』

3年生 澤地 音緒さん(以下:B澤地)

2年生 岡部 花音さん(以下:B岡部)

EチームGood proposal Award」受賞 / テーマ:『ワンちゃんデー』

3 年生 大久保 寧音さん(以下:E大久保)

課題設定の着眼点や、テーマを決めたきっかけは。

ー自信のない女子大生を応援したい!ー

A草地:普段の学生生活から「同世代の女子大生は自分に自信がないことが多いのでは」と仮説を立てアンケートを取ったところ、実際の数値でも9割以上の人が「自分の容姿に自信がない」という回答があり、そんな女性を応援することをコンセプトに検討を始めました。ネスレとの掛け合わせでは、『応援』を共通のキーワードと捉え、キットカットの応援イメージと、女の子(女性客)を応援したいBEAUTRIUMの質の高いサービスをマッチングさせ、キットカットのフレーバーをイメージしたヘアカラー、『キットカットカラー』を提案しました。

Aウィン:日本の女性はとても美意識が高く可愛いのに、自分に自信がない(もしくは自信がないように見える)人が多いように思います。私も美容には興味があり、自国のミャンマーでもシャンプーだけの場合も含めて、月に2,3度美容院に行っていましたが、日本の美容院の技術はとびぬけて1番だと思います。でも今回の美容室は特に、技術力が高い分値段も高く感じ、それをどのように訴求していくのか不安もありました。

ー40代女性の美をサポート!ー

B澤地:私たちBチームは、「40代女性のをサポート〜外側・内側から健康的な美を〜」をテーマに、40代の女性にターゲットを絞りました。理由は、BEAUTRIUMに来店する年代層の多くが40代女性であること、BEAUTRIUMが優れた技術力を持っていることからです。ネスレとの掛け合わせでは「VITAL PROTEINS」という内側からキレイをつくる習慣を提供するコラーゲンサプリメントを見つけました。プロテイン市場が右肩上がりであるというデータや、40代で増える白髪などの悩みに対して、このトラブルを解決するコラーゲンとビタミンCが入っていることが、この商品を取り扱う決め手になりました。現在は感染症対策として待ち時間のドリンク提供も行っていなかったため、「ネスカフェ ドルチェ グスト」と併用したサービスを行うことで、飲み物へのこだわりと待ち時間の充実に貢献すると考えました。

B岡部:初めは自分たちに身近な大学生をターゲットにすることを考えていましたが、美容室の時間を充実させるためのこだわりが詰まっているBEAUTRIUMにおいて、その良さに気付ける余裕があったり、そこにお金をかけたりできる年代は40代くらいなのではということで、意見がまとまりました。また、年代別の悩みを調べた時に、40代女性にとって「白髪」が一番の悩みでした。そこで技術力のあるビュートリアムだからこその提案として、「40代のショートデビュー」というコンセプトも打ち出しました。また、先生からのアドバイスで、マーケティングにおいて、アフターケアをしながらコミュニティを作っていくことが大切だというご意見もあり、キレイのきっかけを作り、それを続けていくサポートができればと考えました。

ー愛犬と美容院!ー

E大久保:私たちが提案したのは「ワンちゃんデー」イベントの開催です。顧客の9割がリピーターであるという点、そして美容室には珍しくペットを連れての来店が可能であり、愛犬のケアにこだわりを持つ顧客が多いという点に目を向け、ペットオーナーの方々をターゲットに絞って、「BEAUTRIUMの価値を活かしたコミュニティサロン」というテーマを決定しました。動物が苦手なお客さんを気にせず愛犬を連れて来店でき、お客さん自身の施術中に一緒に愛犬がトリミングされている様子を見ることができるというイベントです。また、ネスレとの掛け合わせでは「ピュリナ プロプラン ベッツサポート」という、動物病院と連携されたデジタルプラットホームにおいて、獣医による診断から医療食ペットフードの購入までが可能なサービスに注目しました。イベントの参加者に本サービスを紹介し、登録を促すことでサービスの知名度アップや利用者の増加を予想。「価格よりも質」を大事にしているBEAUTRIUMの顧客層の需要にマッチすると考えました。またBEAUTRIUMにとっても、既存顧客との仲が深まり、ペットオーナーにとっての新たなコミュニティとして定着させることでリピーターをより逃しにくくなる点がメリットであると考えました。

同じ「BEAUTRIUM×ネスレ×CUBE」でも、まったく異なる切り口から様々な提案があり、興味深いですね。  調査・課題解決を進める上で苦労した点、工夫した点はどこですか。

ー価格を下げずに価値提案!ー

A草地:まずは女子大生の美容院選びの基準を知ろうとアンケートを行ったのですが、予約サイトの学割を使ったり、初回割引を利用するために美容室を転々としたりするという回答が多く、質を重視したBEAUTRIUMのコンセプトとは真逆の実態がわかってしまいました。しかしながら同時に、安さは求めてはいるけれど、実際のサービス(技術力や居心地の良さ)は満足度の高い方が良いという回答もあり、価格設定はそのままに、価値をわかってもらうための工夫をする方向に舵を取ることにしました。

Aウィン:自分の国の美容室の文化(シンプルな施術が安く提供され、顧客は日常的に通う)と全く違うので、日本の美容室のプロモーションを考えるということが想像できず、とても心配でした。また、「自分の技術を安く売らない」BEAUTRIUMのコンセプトを守りながら、ターゲットを19歳前後の女性である大学生に絞るのも難しいように感じ、値段を下げないまま、どうやって興味を持ってもらえるのか悩みましたが、自信がない女性が「自信」を持って帰れるように、特別な価値を伝えたいと思いました。

ー『美の提供』が共通のキーワード!ー

B澤地:私たちが一番悩んだのは、美容室であるBEAUTRIUMと食品のメーカ―であるネスレの掛け合わせです。初めの案では、顧客にはメリットが多いけれど、BEAUTRIUM側のメリットが少ないのではないか、ネスレとのバランスはどうかなど、多方面に価値がある提案にするために、視野を広く捉えることに苦労しました。試行錯誤の末、『美を提供する』ということを共通テーマとし、ネスレのコラーゲンサプリメント「VITAL PROTEINS」にたどり着き、それが美容院から提供されることで、説得力も増すのではと結論付けました。

ービジネスパーソンからのアドバイス!ー

E大久保:同じく、ビジネスとして成立させるためには、BEAUTRIUMとネスレの両方にとって利益がないといけないですが、その他のステークホルダーにとっての利益や価値を見出すのに苦労しました。中間発表の際にはBEAUTRIUMで実際にお仕事をされている方々からフィードバックをいただいたり、ネスレの社員の方とのミーティングでアドバイスをいただいたりしました。その他にもアンケートを作成して身近な人からの意見を集め、インターネットでもなるべく多くの視点から情報を集めることで、提示した内容の根拠を示せるように工夫しました。

グループで一つのものを作り上げるにあたって、苦労はありましたか。

ーリーダーを経験することで成長!ー

A草地:男性、女性、留学生、2年生、3年生といろんなカテゴリーの学生の混成チームのリーダーだったのですが、話を進めるうちに、全員の土台の意識のズレを感じました。みんなでやってはいるけれど、一人ひとりが思い描く目標が違い、発表の2週間前まではボロボロだったように思います。全員で会えるのは授業がある週に一回だけのため、このままではいけないとLineを送ってみんなの認識を確かめ、そのズレを埋めていくことに注力しました。

E大久保:私もリーダーを務めました。もともと周りを引っ張っていくのが得意なタイプではないので心配していましたが、作業の進め方を提案したり、グループのメンバーに作業の担当を割り振ったりなど積極的に動くことを意識しました。グループの雰囲気も良く、メンバーも自発的に意見を出してくれるなど楽しく研究を進めることができ、リーダーを務めることに対する苦手意識がなくなったと感じています。また、他のグループに向けて作業の進捗状況を共有する時間があったのですが、お互いにフィードバックし合うことで客観的な意見を取り入れることができ、それぞれの成長に繋がりました。

ー先輩からの学び!ー

B岡部:私は逆に、私以外は全員先輩であり、気を遣うこともあったのですが、こだわりは妥協したくなかったので、チームとして良いものを作り上げるために、しっかり自分の意見を伝えることを意識しました。初めは緊張しましたが、「いいね」と賛同してくださる雰囲気や、私の意見を全て受け入れるわけでなくとも、目を見て話しを聞いてもらえたり、先輩の経験から、アドバイスや反対意見をもらえたりすることもとても嬉しく、CUBE生の良さだと感じました。のびのびと発言できる環境だったからこそ積極的に動くことができたと思うので、自分が先輩になった時にも、先輩方のように話しやすい雰囲気を作ってあげたいと思いました。

Aウィン:私は留学生であり、心細かったり気を遣ったりすることもありましたが、先輩や周りのみんなに助けてもらって、少しずつ意見を言えるようになりました。冬休みを挟む中、打ち合わせのスケジュールが合わないことも多く申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、英語での最終発表を引き受けたり、自分の国との比較で日本の美容室の価値の高さをより伝えたり、自分でできることを見つけようと思って取り組みました。周りのみんながあたたかく支えてくれ、やる気も出ました。

今までのCUBEの学びはどのように生かされましたか。

B澤地:効率良く信憑性の高いデータを収集すること、説得性の高いプレゼンテーションをする点において、これまでの授業経験が役に立ちました。さらに2社の共通点を見つけて提案することも、様々なディスカッションなどを通じて鍛えられました。新しいアイデアを出すだけでなく、元々ある強みや特徴を活かしたまま掛け合わせるというのは難しかったですが、他の美容室にない新しい提案にすることができたと思います。

E大久保:1年生の時から繰り返し何度もやってきたプレゼンテーションの経験は、今回のプロジェクトでも大いに生かされたと感じています。人前で発表することに対する慣れというものは、場数を踏まないと見につかないと思うからです。グループワークが多いので、周りの人と協力して作業を進めるということに関してもCUBEの学びが役に立っていると感じています。

Aウィン:ターゲットの絞り方・課題設定・提案の影響や効果・それらを検討する順番など、マーケティング基礎の授業は、考え方の土台を作るのにとても役立ちました。1回生の最後にも研究発表会を行いましたが、マーケティング基礎の授業を経て、1年たった今回の発表では、説得力も自信も増したと実感しています。

B岡部:私もマーケティング基礎の授業でたくさんの気付きがあったのはもちろんですが、英語の授業でも、毎週のようにプレゼン資料を作ったことは大変だったし、今となっては、とても訓練されたように感じます。自分自身がプレゼンすることでも鍛えられますが、毎週何人ものプレゼンを聞くことで、話すスピードや言葉遣い、資料の文字の大きさや配置など、どんなプレゼンテーションがわかりやすいのか、切磋琢磨しながら吸収できたし、今回はそれを活かすことができました。

今回の取り組みで感じたCUBEのプロジェクト型授業の魅力、成長したと感じた点、今後の目標があれば教えてください。

―俯瞰力と探求心―

B澤地:私が身に付いたと感じるのは、俯瞰力と探究心・追求心です。提案先の相手と自分たちの想いが違った際に、広い視野を持って状況や物事を見ると、今まで気づかなかった共通点(全く違う事業だけれど、美に関する商品があること)を見つけることができました。加えて、そのテーマに沿ってグループワークを進める中で、気になったことや分からないこと、必要になりそうだと思ったことはすぐに調べ、役に立ちそうな情報を探し、その情報の説得力を高めるデータを調べていくことでより良い提案に繋げることができたと思います。学年をまたいだチームを組めることも大きな魅力で、縦のつながりを広げることができました。これから就職活動も本格化していきますが、就職した際に、広い視野を持って状況や物事を見ること、少しでも気になったことや知らなかったことはすぐに調べるようにして、些細なことでもメモなどに残しておくことをより心掛けようと思います。

―リーダーシップとビジネスマナー―

A草地:私はリーダーとして取り組んだ経験がやはり大きく、一人ひとりの意見をどう共有できるか、その共有の機会を与えながらみんなをどう生かしていくかなど、常に考えていました。自分が思い描くリーダーっぽくはなかったようにも思いますが、確認と共有を繰り返すことで、「言われてやる」姿勢から、それぞれが自分で判断して動き、「もっとこうしたほうが良いのでは」という意見が出てきたことはとても嬉しかったです。また、社会人の方とはメールでのやりとりが多く、ビジネスマナーを勉強するきっかけにもなりました。

―調整力と交渉力―

B岡部:今までの自分と一番変わったと感じるのは、調整力と交渉力です。先輩ばかりのチームで緊張もしましたが、伝え方を意識することが増えました。CUBEのプロジェクトは、学年混成で、経験の異なる人が集まるため、普段接する機会のない人と一緒に取り組むことができ、とても刺激的で、自分の幅も広がりました。また、企業とコラボすることで、社会人に意見を聞く機会を設けられたことはありがたく、実際に現場で働いている方のご意見を聞くことは、自分たちの考えがいかに空想だったのかを思い知らされました。その後、より現実的に考えることができ、点と点がつながるような感覚を体感できました。

 

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