「卒業研究プロジェクト」は学生一人一人が自分自身で研究テーマを設定し、教員の指導のもと研究を進めます。
そして、CUBEの学びの集大成として「卒業研究リサーチフェスタ」で、その成果を発表します。
また、毎年約10%の学生がCUBEで培った高い英語能力を活かして、英語で卒業論文を執筆しています。
代表して、岩岡佐歩さんにインタビューしました。
【テーマ:フィリピンBPO産業について~競争国との比較におけるフィリピンの優位性と今後の課題~】
フィリピンのBPO産業の実態とさらなる成長に向けた施策について研究しました。
BPOとはビジネスプロセスアウトソーシングの略で、企業が主業務に集中するため、あるいはコスト削減のため他企業や他国に一部を委託することです。1か月間フィリピンへ渡航した際にフィリピン人の語学力の高さとコミュニケーション力の高さに驚き、そのような優秀な人材が多いにも関わらず、未だフィリピンが発展しきれていない点に違和感を覚え、フィリピンという国に興味を持つようになりました。また調べるうちにフィリピンのBPO産業がGDP割合の大部分を占めていることを知り、世界全体でIT化が進んでいる中でBPO産業がフィリピン発展の鍵を握っているのではないかと思い、少しでもフィリピンの成長、BPO産業の労働環境の改善に貢献したく、卒業研究のテーマに選択しました。
研究を進める中で、研究過程と成果物の両方を考えながら進めないといけない点に苦労しました。自分が文献分析やインタビューなどで得た根拠と自分の述べたい見解との間にどれだけ強い結び付きを見出すことができるかという部分に最も苦労を要し、何度も立ち止まりながら進めました。そして指導教員のブレント先生からアドバイスもいただきながら、フィリピンの比較優位性と改善点を示す要素として、文献分析のデータや、インタビュー、アンケートの結果を活用し、人材のスキルに富むフィリピンだからこそ、BPO産業を成長させることができた根拠として並べました。そこから、人材力がフィリピンならではの強みであり、BPOで人材が育つことで経済発展の将来性が見込めるのではないかという発想を得て結論付けました。
元々CUBEへは、英語を使って何か他のものを学びたいという思いがあり、入学しました。実際、Business Ethicsを学ぶ授業では英語でのプレゼンテーション、模擬国連のプロジェクト授業では英語で書かれたサイトから情報収集をするなど、英語をツールとして利用し、アウトプットする機会が多くありました。論文を書く際には、これらの学びや経験が活かされ、データ分析においても日本語で書かれた文献だけを活用するより、幅広い文献から情報収集することができ、インタビューやアンケートにおいても、良い質問を考える際や、回答者に心を開いて一歩踏み込んだ質問をする際に役立ったと感じています。
BPOという聞き馴染みのない業界について発表するので、自分の興味を他人に押し付けるような発表になってしまうのではないかという懸念がありました。そのため、BPO産業については論文内の内容よりも詳しく説明したり、実際に働いているフィリピン人がどのような点に魅力を感じているのかなどをグラフや表にして、できるだけ親しみやすい内容を発表に盛り込んだりしました。また自分の見解の裏付けとなる根拠を明確に提示することで、論理的な内容にすることにも気をつけました。
英語で執筆した論文では6000ワードの内容を書いたので、それを1枚のポスターに要約する際も、どれも大事な情報に思えて取捨選択が難しく感じましたが、最終的にはわかりやすさを意識し、より簡潔にまとめるように心がけました。
CUBEでの4年間を通じて、自ら学ぶ力を成長させることができたのではないかと感じています。CUBEでの学びは、インプットだけでなく学んだものを活かして自ら再現する機会を多く設けていただきました。そのため、より吸収したい、自ら学びたいという意欲が自然と身につき、今回の卒業研究においても、高くモチベーションを保って1年間研究を続けることができました。
これから社会人としてスタートしますが、CUBEで得たこの自ら学ぶ力を活かして、他の人よりたくさんのことを貪欲に学び、吸収できるような社会人になることが私の今後の目標です。
>