一ヶ月ぶりです,新井康平@会計学担当です。
神戸市内の自宅からCUBEへ自転車で走ってみました。ちなみに,CUBEは自転車通学は禁止ではないですが,すぐとなりの有料駐輪場を利用する必要があります。
自転車で駆け抜ける国道2号線,沿線のラーメン屋さんの多さに驚きます。本当に多いんですよね。これから,CUBEからの帰り道はラーメン屋に寄ろうかと大きな夢が広がります。
で,本日。2月26日快晴。CUBEの帰り道ラーメン屋さん総まくり計画の記念すべき第一回です。今日は第一回ということで道すがら,最初にエンカウントしたラーメン屋さんに入ろうと心に決め,CUBEでの業務を終え,帰路についたのであります。
CUBEを出てものの数分。バーミヤン(中華料理系のファミレスです)にエンカウント。え?,よりにもよってバーミヤンか?などと感じつつ,自分に嘘はつくまいと入店して,ラーメンを食べてきました。次こそは,宮っ子ラーメンにいってやると誓いつつ。
と,ここまで書いただけでは,ただのラーメン日記です。ただ,CUBEの経営学教育の特徴は,現実と理論とのいったりきたり。せっかくなので,今日の私の体験を経営学的に考えてみましょう。考えるべき問は,
「なぜ,ラーメンを売っているお店なのに,「バーミヤン」は何か違うのか」
です。
非常に難しい問いです。この問に答えるだけで論文かけるかもしれません。なぜ,ラーメンを売っていればラーメン屋と言い切れないのでしょうか。バーミヤンは,ラーメン以外にもから揚げやホイコーローなんかも売っているから?それもそうでしょうが,最も重要なポイントは,我々が一般に想定するラーメン屋さんとバーミヤンは「ドメイン」が異なるからでしょう。
「ドメイン」。経営学用語です。これは,企業が自分たちを規定する領域を指します。おそらく,一般的なラーメン屋さんとは違って,バーミヤンは自分たちを「おいしいラーメンを提供する店」とは規定していないでしょう。そうではなく,「家族連れで食事が出来る」とか「くつろげる」とか「長時間いることができる」とか,そういった部分こそがバーミヤンをバーミヤンたらしめていると言えるのではないでしょうか。
このように,ドメインという眼鏡をかけると,いろんなお店のいろいろな側面が見えてきます。早く安価に料理を提供するマクドナルドのライバルは,モスバーガーといよりは吉野家かもしれませんし,暇な時間を有意義に使うことに利用されるTSUTAYAのライバルは映画館というよりは漫画喫茶かもしれません。
この辺,2年生以降の経営戦略に関連した講義で(私が担当するんではないんですが)やりますんで,楽しみにしていてください。もし,もっと勉強したい,という奇特な方には,新書で榊原清則『企業ドメインの戦略論―構想の大きな会社とは 』中央公論社が参考になるでしょう。
CUBEの経営学教育では,現実と理論をいったりきたりです。身近な事例から,物事の本質を深く考える,そんな風にみなさんが育っていくのを願っております。
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