2009年もよろしくお願いします,新井康平@会計学担当です。
さて,突然ですが,会計学では,自分から出て行ったお金を「支出(ししゅつ)」といいます。ざっくり述べると,支出には,投資(とうし)という意味合いのものと費用(ひよう)という意味合いのものがあります。投資とは,この先の将来に向けての支出なので,先々で少しずつ費用として処理をします。これを減価償却(げんかしょうきゃく)といいます。
で,大学の授業料の話です。大学の授業料って高いですよね。高校生の時,私もそう思いました。確かに,毎年出て行く金額は初年度では100万円を超えるような金額になります。で,おじさんが言いたいことは,これらの金額に必要以上に振り回されるのは,MOTTAINAI!! ということです。だって,大学は,その先の人生に対する投資ですよね。同じ支出であっても,30年から40年先の自分自身にとってのものだから,例えば目先の金額に,それほど振り回されないでほしいと思うんです。
でも,そんな考え方,家計に余裕がある人だけしか無理だよー,と思う方もいるかもしれません。大丈夫です。借金型の奨学金なら借りること自体はそれほど困難ではないですし,返さなくていい奨学金も多いです。知り合いの留学生は,日本という国における奨学金の多さに驚いていました。「この国ではお金がないから進学に支障が出る,っていうのはただの甘えじゃあないの」という感じで東南アジア某国からの留学生が言っていました。本当に勉強したいなら,借金してすればいいじゃない,そういう仕組みがあるんだから,と。
新井もそうだろうと考えています。なんだかんだ言っても,この国では,大学を卒業するまでに学生がお金に困らないような工夫は比較的しっかりしているのではないでしょうか。事実,私が大学生の3年生の時,のっぴきならない事情で実家からの送金がストップしてしまいました。あわてて大学の事務に相談に行ったら,あっという間に奨学金の支給が決まった覚えがあります。将来の自分に対して借金をすることの戸惑いもありましたが,大学を続けてよかったと考えています。本当に,焦って大学を辞めてしまったりしなくてよかったと思います。そのまま,奨学金を借りつつ大学院まで来てしまいましたし。
結局,僕らはすぐ先の金銭的なことにとらわれて,長期的な「投資」という感覚を忘れてしまう生き物です。18歳の皆さんにそのような意思決定を要求するのは酷なのかもしれませんが,27歳,奨学金返済総額1000万円弱(来年から50歳くらいまで返済します)の新井康平からのお願いです。将来への自分への投資を躊躇しないで欲しい。別にCUBEに限った話ではなく,大学の選択を目先の金銭的な条件だけではなく,数十年に続く自分自身への投資ということでしっかり考えて欲しいのです。
今回は,CUBEの先生というよりは,皆さんの10歳くらい年上の先輩みたいなエントリーでしたね。ちょっと昔を思い出した,センチメンタルアライでした。
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