プロジェクトについて考えてみましたpart3(倉本)

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CUBE DIARY

プロジェクトについて考えてみましたpart3(倉本)

2009.01.10

みなさん、明けましておめでとうございます。倉本です。

今回もいきなり写真を掲載していますが、皆さんはこの写真に写っている銅像のモデルとなった人をご存知でしょうか?

正解は「吉田松陰」という、幕末の教育者です。

彼は長州(今の山口県)の萩という城下町で「松下村塾」という私塾を開設し、教師と生徒の間で徹底した話し合いという方法により後に明治政府を作る重要人物に成長した人々に当時の日本の置かれた状況を把握し、今何をすべきかを考えることの重要性を教えた人です。

よく佐藤先生のお話にも登場する人物ですので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、CUBEでもみんなで徹底的に話し合い、それぞれが今何をすべきかを考える環境を作ろうと考えています。

さて、新年ということでCUBEでの勉強について少し語りましたが、ここからは前回のブログの続きです。

前回は、以下の問題を考えてもらいました。

「Aさんはおいしいコーヒーを1時間で10杯入れることができます。

Aさんはケーキを1時間で10個作られます。

Bさんはおいしいコーヒーを1時間で5杯入れることができます。

Bさんはケーキを1時間で8個作られます。」

ここで問題、「カフェのオーナーであるあなたは、AさんとBさんにどのように仕事を分担しますか?」

(但し、1時間で作られるコーヒーとケーキの数は時間がたっても変わらないとする。)

答えは、「Aさんがコーヒーを入れ(8時間×10杯=80杯)、Bさんがケーキを作る(8時間×8個=64個)」です。

コーヒーを入れるにしても、ケーキを作るにしてもAさんの方が多くを作ることが出来ます。

つまり、前回紹介した絶対優位はコーヒーでもケーキでもAさんにあります。

では、Aさんはどちらを作ればよいのでしょうか?

ここで重要なのは、Aさんはケーキ1個を作る時間とコーヒー1杯を入れる時間が同じ、Bさんは同じ時間でケーキを1.6倍作ることが出来るという事です。

つまり、BさんはAさんと比べて相対的に(比較的)ケーキを作ることが得意だと言えます。

2人がそれぞれ上記の方法で考えた得意なものを作ることで、コーヒーとケーキの量は最大になります。

(気になる人はこの他のパターンの考えてみてください。)

このように、相手の技術力と比べて自分が得意とすることを行なうことで社会全体で時間を無駄なく使えることを経済学では「効率的」だと判断します。

そして、この自分の得意なことを相手と比べて判断する考え方を「比較優位」と言います。

さて、ここまで3回に分けてプロジェクトについて考えてきましたが、私が言いたかったことは、「役割分担が重要」であるということです。

よくチームで活動する時、「あの人は何でもできるから全て任せよう」と考える人がいますが、「役割分担の重要性」を理解できた人は、人任せをしないほうが「効率的」であることが判断できますね。

経済学って、実際の世の中で生きていく上で役に立つってことが分かってもらえましたか?

CUBEでは、もっともっと役に立つ経済学をご紹介しますね。

甲南大学
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