今求められる教養教育について考える(太田先生)

今求められる教養教育について考える(太田先生)
今求められる教養教育について考える(太田先生)
CUBE DIARY

今求められる教養教育について考える(太田先生)

2012.09.13

マネジメント創造学部で教養教育を担当している太田雅久です。CUBEが大切にしている教養、私が考える今日の教養について述べてみたいと思います。

日本だけではなく、アメリカその他の国の大学でも教養教育の重要性が話題になってきています。それは何故でしょう。私たちを取り巻く諸問題が、グローバルで一つの学問分野だけで学解決できないからです。ここに、総合知が求められているのです。それは言いかえると深い教養を背景にした知識のことです。

「教養」については色々な表現があります。そこで、多様な視点を演出できる世界像をもつことが現代人に求められる教養ということにしましょう。すると中身は、「行動の可能性を秘めた心的状態」、「創造の可能性を秘めた知的状態」という快い精神の緊張状態を常にもっていることと考えるのがいいでしょう。大学生が、そのような心の状態を「常に備えもつ」ためには、授業にまじめに取り組み、読書し、有意義な経験・体験を積むことです。

ところで、大学生はアルバイトすることが常識になっているようです。それをそのまま鵜呑みにしてはいけません。常識を、何故それが常識であるのかを考えることから始めましょう。それは、哲学の第一歩でもありますし、創造への第一歩でもあります。アルバイトで時間をつぶすのは、若い時期の貴重な時間とわが身を削っているのと同じように思えます。そのことをしっかり認識したうえでのアルバイトにしなければなりません。何をそこで学ぶのか、今自分がしていることはどういうことか、常に疑問と投げかけながら社会を見るアルバイトにしましょう。しかしアルバイトはあくまで最小限に抑えましょう。今社会に奉仕する事も重要ですが、将来もっと素晴らしい奉仕が出来るようにわが身を鍛えるのが大学生に与えられた本来の任務であると思います。心ある人は日本の大学の現状を見てその様に思い始めています。CUBEの教員である私もそう考えています。

CUBEの教養教育は、色んな学問分野の基礎(リベラルアーツ科目)と人間性の育成の二本柱で成り立っています。CUBEでは教員との話し合いの時間がたくさん取れます。というよりも教員との授業以外の話し合いを通じて学修計画を作っていきます。本の読み方、学習の仕方などを相談しながら教員の姿を見て人間性を高めていきます。授業や授業以外の所で貪欲に自分の世界像、つまり自分らしさを作って行って下さい。その世界像は、将来日本や海外で、地球市民として、また、実際に行動できる人間として、社会の問題に対峙していく過程で役に立つでしょう。

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