2日目にルソン島の南にあるミンドロ島へ向かった。今回のスタディツアーの目的のひとつである、少数民族マンギャン(mangyan)族の学校を訪問し子供たちに授業をするのだ。
フェリーで到着後、車に乗り山を登る。彼らの村は山の上にあるのだ。暑い日差しの中(フィリピンでの平均気温は27度ほどであり、日中は軽く30度を越える)、子供たちが私たちを出迎えてくれた。30人ほどの子供たちの服は汚れていてサイズも合っていない子も多く、またほとんどの子は裸足であった。予想以上の貧しさにまたも驚かされる。
授業を始めると高学年の子供は、非常にシャイで恥ずかしがっていた。聞くところによるとマンギャン族自体が非常に恥ずかしがり屋であるそうだ。しかし、低学年の授業が始まるとまるで嵐のようであった。授業の風景を写真に収めようとカメラを向けると、子供たちはカメラの前に殺到しさまざまなポーズをとった。授業どころではなかった(授業では糸電話を教えていた)。しかし、子供たちの笑顔はとてもすばらしかった。
彼らの村、バニラッドおよびマンギャン族の生活について説明しておこう。バニラッドには電気はない(サラリと書くが)。ガスもない。水は川からひいたものを使う。夕方、川に向かう。理由は簡単で、風呂・シャワーなど存在しないのだ。そこで体を洗う。
子供たちが案内してくれたが、川へ向かう道(?)は裸足では辛そうである。
そしてとっぷりと日が暮れると予想通りの状況になった。
一寸先すら見えない暗闇である(実際は月明かりで多少は見えたが)。室内の明かりは、ランプを使う。
だが、この暗闇の中、空を見上げると満天の星空がみえた。それは言葉にできないほどきれいであった。これは写真では決して伝わらないのであえてのせない(決して撮れなかったわけではない)。翌朝、4時半に薪を割る音で目覚める。ガスが無いので朝食も薪を使って作る。
このような生活を送っているマンギャン族。確かに我々から見れば、貧しい生活かもしれない。しかし、彼らがイコール可哀相であるとかそういうことではない。彼らは、すこぶる健康的で元気があり、活き活きとしていた。また彼らには独自の文化・風習があり、それらを守りながら生活している。マイノリティーが、いかにして自分たちの文化を守っていくことの難しさが伝わってきた。
長々と書いたが、まだまだ書きたいことが山ほどある(NGO訪問のことや、朝の市場のことや、その他もろもろ)。詳細は、今後発表するプレゼンテーション及びレポートを参照されたい。
是非皆さんもスタディツアーに参加する機会があれば参加してみてください。
上田 義弘<追手門学院高校出身>
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