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CURRICULUM 人を育てる仕組み

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農業インターンシップ

生産から販売まで、農業の現場を体験!!理論だけでは学べない。米を育てる厳しさと、売る難しさ。 体験者:山本 大介(やまもと だいすけ)。インターンシップ先:三重県大台町観光協会

インターンシップ情報

体験期間
2011年4月~2011年9月
内容
お米の生産:耕うん、田植え、草刈り、収穫、精米。
販売計画:企画立案、プレゼンテーション実施

第6次産業の現場を体験する。

Q
第6次産業とはどういうものですか?
山本

第1次の生産と、第2次の加工、第3次の流通のすべてを1つの経営組織が行う経営形態のことで、1+2+3=6から第6次産業と言われているんです。農業でいうと、農家が流通までやるとか、飲食業の企業が農業をやるとか、そういった試みが最近増えているんです。

僕が参加したプロジェクトは、その第6次産業を実際に経験させてもらうというもので、畑を耕すところから米作りをして、販売計画の提案までを体験してきました。

Q
米作りから販売までとはおもしろい体験ですね。
山本

そうなんです。もちろん僕は米作りの体験なんてしたことないですし、それだけでなく、自分たちが作った米をいかに販売するかも計画できる。もし、それが採用されたら、実際にモノを売ることに参加できることになるので、すごいなと思いました。

1年の「基礎リテラシー」の担当が倉本先生だったんですが、僕たちはよく先生の研究室に行ってたんですね。その時に倉本先生から、このプロジェクトのことを教えてもらったんです。

Q
第6次産業が増えてきた背景とは?
山本

いくつか要因があると思いますが、農家が販売まで関わるケースでいうと、やはり生産だけでは安定した利益を生みにくい状況にあるからだと思います。

倉本先生に教えてもらった農業関係の本を読んで分かったことなんですが、日本の国土は狭くて、しかも山が多いですよね。だから、農作地が限られる分、生産にかかるコストは割高になる。アメリカみたいに広い土地があればコストも下がって効率もいいのですが、そういう規模の経済性が適応できないんです。
それに山間部だと田んぼが飛び飛びに存在するので、土地の角の部分が多くなりますよね。そうすると、角の部分は機械で耕すことができないので、手作業になって余計に効率が悪くなります。

販売に関しては、JAが農家を守るために高めの値段で買って、市場価格で売っているんですが、流通経路が複雑なために生産者所得はそんなに多くないんですね。
第6次産業はそういった課題の解決策にもなる。僕たちがお世話になった体験授業という取り組みも、第6次産業の一つになるんですよ。

Q
具体的にどのような活動をしたのですか?
山本

メンバーは全部で10人、その半分ずつがA班とB班に分かれて、月に1回ずつ1泊2日で田んぼの世話に行くシフトでした。
田んぼは、25メートルプールほどの広さのものとその横の小さめの田んぼをCUBE生のためにお借りして、何もかも自分たちで作業するんです。
田んぼの持ち主である岡本さんは、林業と農業を兼業しているんですが、もともとは大阪でサラリーマンをしていたそうです。農業に転身される人が最近は多いんですよ。

炎天下の草刈りはきつかった!

Q
初めての農作業はいかがでしたか?
山本

いや~、もう本当に大変でした(笑)。こんなにしんどいものだとは思わなかったです。田んぼを耕すところから始まって、草刈り、水引き、田植え、草刈り、秋の刈り取り、精米まで。どれもハードな作業でした。

Q
特にしんどかったのは?
山本

一番辛かったのは真夏の草刈り。6~7月はずっとそればかりやっていました。田んぼの中に雑草は生えないんですが、周囲のあぜ道や、農機具の倉庫への通路にはすぐに生えてくるんです。先月、あんなにきれいに刈ったのに・・・と思うほど伸びている。
草刈り機は刈っている時に小石が飛んできて危ないので、必ず長袖を着ないといけないんですが、これがまた炎天下にはきついんですよね(笑)。
岡本さんは「これくらいなら1人でやっても1日で終わるよ」と言っておられましたが、僕らは5人でやってギリギリ1日という感じ。正直「なんでこのプロジェクト選んだんだろう」と思ったりもしました(笑)。
あと、意外に難しかったのが、あぜ道と田んぼの間に、斜面で境目を作ること。これもきつかった。

Q
何のために斜面を作るんですか?
山本

現あぜ道との境目をきれいに作っておくことで、水が抜けるのを防いだり、雑草が生えてくるのを防ぐためです。これは機械ではできないので、完全な手作業。鍬(くわ)を使ってやるんです。
農業指導をしてくださった栗谷さんは、ヒュッと泥をすくって、ペタッと貼り付けて、表面を平らにするだけなんですが、僕たちは四苦八苦(笑)。腰は痛くなるし、足は泥にささって抜けないし、大変でした。

Q
それだけ苦労すると、お米ができた時の感動も大きかったでしょうね?
山本

そうですね、1カ月ごとに田んぼに行くたびに、成長していて嬉しかった。
今年は台風が2回来たので、その時も心配でニュースばかり見ていました。速報で「三重県大台町に暴風警報」とテロップが出たりするんですよ。それぞれの班のリーダーが電話して、田んぼの様子を教えてもらったりしていました。

その後に行ってみると、小さな倉庫が吹き飛ばされて田んぼの中に入っていたんです。その部分の稲はもうだめかと思ったら、意外に丈夫で驚きました。根っこの部分は15センチくらいしかないんですけど、引っ張っても抜けないほど強いんですよ。すごい生命力ですよね。

販売企画をリアルに体験し、悩んだことで見えてきたもの。

Q
販売計画はどのように進めたのですか?
山本

A班とB班、それぞれに企画を考えて三重県の観光協会にプレゼンしました。その企画を練ったり、企画書を作成する段階で、なかなか意見がまとまらなくてそれも大変でした。販売方法は、精米したお米をそのまま売るか、おにぎりなどに加工するか。企画書の最後に、農家の方へのお礼のメッセージを入れるか、いやフォーマルな企画書には入れない方がいいとか・・・(笑)。みんな苦労して作ったお米だから、商品への思い入れも強かったのかもしれない。

Q
最終的にはどのような企画に?
山本

同じ三重県で、高校生たちが運営しているレストランがあって、TVでも話題になっている店なんですが、そこと提携する企画を提出しました。
でも残念ながら、その案はあまり受けなかったんです。B班が出した、食に関するイベントに出店して三重県のお米をアピールするという案の方が反応は良かったですね。実際に採用されたかどうかは、来年にならないと分からないのですが。

Q
企画が通らなかった要因は何だと思いますか?
山本

後でいろいろ考えたんですが、あまり現実的でなかったんだろうと思います。高校生のレストランは、三重県でも他の地域なので、地域間の折衝が必要になるので。
それに比べて、B班の方はシンプルなところが良かったんだと思います。実現できるかどうかが重要ですから。

よく考えると、売るためのコンセプトはシンプルで分かりやすいものにして、実際の値段決めやコストの計算など詳細については緻密に考えるべきなんだろうと。B班の企画は、そういった面で受け入れられたんだろうと思います。

Q
貴重な体験でしたね?
山本

本当にそう思います。マーケティングの授業は1年生のときから受けていましたが、現場で見て体験して、自分たちで意見出して悩むことで見えてくることって山ほどあることが分かった。実際に何百キロものお米を売るとなると、保管場所や運搬方法、販促など、いろんなコストもかかってくるので、モノを売る難しさも実感しました。

多分、普通の大学生なら理論を学ぶことで終わると思うんですけど、僕たちは実践の部分も学べる。すごくいい経験ができたと思います。

Q
将来にむけても、いい刺激を受けましたね。
山本

最初は、卒業したら企業に勤めて、きっと最初は営業職につくだろうから米を売るという体験が役立つだろうと思っていたんです。でも、インターンシップを経験してから、少し変わってきました。卒業したらいろいろな経験を積んで、30歳を過ぎた頃に起業したいなと思っています。自分でビジネスをするおもしろさが少し分かった気がするので(笑)。

インターンシップの流れ

4~5月 耕うん、水を引く。5月半ば 田植え。6~8月 草刈り。9月 刈り取り。10月 精米、販売計画プレゼン。

現地での生活について

Q:滞在先での生活は?
民宿に滞在。食事はみんなで自炊していました。やはりご飯がとてもおいしかったです。昼ご飯は、田んぼの横に川が流れているので、そこに足をつけながら食べるのが最高でした!
Q:大台町への行き方は?
近鉄電車の松坂駅から、ディーゼルエンジンの車両に乗り換えて約2時間。現地集合、現地解散でした。
窓からの景色はずっと田んぼが続いていて、今まで見たことのない風景でした
Q:できあがったお米は?
学生それぞれに10Kgのお米をいただきました。ヤマヒカリという品種です。コシヒカリは収穫初期に甘くてだんだんと甘みが落ちていくのに対して、ヤマヒカリは、初期のコシヒカリほどの甘みはないものの、時間が経っても甘みが落ちないので時期を選ばず人気の品種です。